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治療法について

脆弱X症候群の現在と将来の治療法に関する情報

海外では脆弱X症候群の治療法の開発が進められていますが、根本的な治療法はまだありません。
ただ、将来は日本で治験が行われる可能性もあり、遺伝子検査によって確定診断を行い、臨床データベースに登録しておくことはとても重要です。

現段階では、てんかんなどの合併症や行動異常などの症状に応じて対応することが必要となります。
また、脆弱X症候群では僧帽弁逸脱症、斜視、中耳炎、胃食道逆流症、摂食障害、睡眠障害、閉塞性呼吸障害、チックなどの合併症が生じることがあり、これらへの対応も必要となります。

 

治療研究として進められている主な内容(2017年6月時点)

以下の治療研究は、海外で進められている内容です。

  • 代謝型グルタミン酸受容体(mGluR5)拮抗薬
    Mavoglurant (AFQ056), RG7090 (RO4917523), Fenobam (NPL-2009) など
  • GABA受容体作動薬
    Acamprosate, Arbaclofen (STX209/R-baclofen), Ganaxoloneなど
  • SSRI(セロトニン受容体遮断薬)
    Sertralineなど
  • GSK-3阻害剤
    リチウムなど
  • MMP9阻害剤
    ミノサイクリンなど
  • ERK阻害剤
    ロバスタチンなど


(参考文献)
1. Erickson et al. Fragile X targeted pharmacotherapy: lessons learned and future directions.
  J Neurodev.Disord. 9:7, 2017
2. Ligsay A, Hagerman RJ. Review of targeted treatments in fragile X syndrome.
  Intractable Rare Dis Res. 5(3):158-67, 2016
3. Jacquemont S et al. The challenges of clinical trials in fragile X syndrome.
  Psychopharmacology (Berl). 231(6):1237-50, 2014

 

患者登録(レジストリ)について

「脆弱X症候群ならびに脆弱X症候群関連疾患のレジストリ」は、臨床試験/治験を目的として、患者さんと将来的に製薬関連企業・研究者との橋渡しをする登録システムです。

医学の進歩により、治療法がなかった疾患に対する新しい治療法が開発されてきています。 脆弱X症候群や脆弱X症候群関連疾患も同様で、海外では治療研究が大きく進捗しています。そのため、国内でも原因を標的とする治療法を含めた新たな治療法が臨床応用目前に迫っています。これが標準的な治療となるためには、研究の最終段階として患者さんに対して「臨床試験/治験」を行い有効性と安全性を確かめることが必要です。「臨床試験/治験」を円滑に進めるためには、あらかじめ対象となる患者さまを登録することがとても重要です。

対象:FMR1遺伝子のCGG繰り返し回数の延長を認めた方

登録方法:担当医の先生を通して登録を行って頂きます。詳細についてはお問い合わせ下さい。